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電子レンジ調理生活

第14日目: リタ・リー博士が紹介したランセット誌の記事はあった

ランセット誌、Volume 334, Issue 8676, 9 December 1989, 1392–1393ページに、マイクロ波暴露とアミノ酸の変化(AMINOACID ISOMERISATION AND MICROWAVE EXPOSURE)という論文が掲載されていた。
著者は、オーストリアのウィーン大学小児科学科(Department of Paediatrics, University of Vienna)のG. Lubec, Chr. Wolf, B. Bartoschの3人である。

ミルクまたは再構成された乳児用調製乳の電子レンジでの加熱は、従来の加熱よりも有意に高い程度のアミノ酸残基の変化を誘う可能性がある。本研究では、UHTミルク、3つの異なる乳児用調製乳を、2種類(600 Wで3分および70 Wで20分)の条件の下で加熱した。D-アミノ酸の割合を、酸加水分解後に測定したところ、有意な差が未処理および処理されたサンプル間で見つからなかった。これらの結果から、相当する条件下で通常に使用される、電子レンジでのミルクまたは乳児用調製乳の加熱は、タンパク質に結合したアミノ酸の重要な変化を誘わないと結論づけられている。

加熱処理で、食品のタンパク質に生じる構造と化学的変化は望ましくない栄養的影響を生む可能性がある。可能性のある変化の一つは、アミノ酸異性化である。D異性体に食品タンパク質中のL-アミノ酸の変換は、代謝不可能なアミノ酸を生成し、タンパク質分解酵素で分解されないペプチド結合を生成する。
(Freimuth et al., 1978; Masters and Fridman, 1980; Friedman et al., 1981; Bunjapamai et al., 1982; Tover and Schwass, 1983; Jenkins et al., 1984; Friedman and Gumbmann, 1984)
(中略)
これらの研究から導びき出すことができる重要な結論は、温度、アルカリ性のpH、および/または処理時間などの過剰な条件下で異性化が起こることである。通常の食品調理条件の温度及びpHは、D-アミノ酸の生成は無視できる量である。

電子レンジでの加熱は、食品のタンパク質に高いラセミ化率を誘発したと報告した。特に、D-プロリンおよびD-ヒドロキシプロリンは、電子レンジでの加熱された乳児用ミルクにおいて、有意な量で発見されていることが報告された。報告では、吸収後のこれらの異性体は理論的には、ペプチドおよびタンパク質に組み込まれ、構造的、機能的および免疫学的変化につながる可能性がある。それはさらに、雛の脳内に注射した場合、D-プロリンが神経毒性であることが報告されている(Cherkin et al., 1978)ことも注目された。
いっぽう、人間または動物におけるタンパク質生合成に組み込まれているD-アミノ酸残基の報告はなされていない。Lubecの生物学的および毒物学的の考察の完全性に関して、説得力のある反論もなされている。(Segal, 1990a,b; Lubec, 1990).

電子レンジでの加熱によるアミノ酸異性の促進効果は、マイクロ波照射の2分未満後に遊離アミノ酸の完全なラセミ化を観察した(Chen 1989)というチェンらの結果によっても、指示されているように見える。
しかしながら、これらの結果はベンズアルデヒドが存在する状態で酢酸に溶解し、密封したガラス瓶の中で、マイクロ波を照射し200℃を超える温度で加熱されたアミノ酸においては得られたものである。通常の調理方法で、比較したものではない。
(以下省略)

また通常の電子レンジでの加熱では、危険性がないという関連した研究報告も1994年スイス連邦酪農研究所のシーバートらによって報告されている。
(Heat treatment of milk in domestic microwave ovens
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0958694695000097)

家庭用電子レンジでのミルクの加熱
R.シーバート、P. エベラール, P.U. ギャルマン(R. Sieber, P. Eberhard, P.U. Gallmann)
スイス連邦酪農研究所(Federal Dairy Research Institute, Switzerland)

このレビューは、2450 MHzの家庭用電子レンジを使用したミルクのマイクロ波加熱に関する最新のものである。マイクロ波加熱処理の影響は、製品の量および使用される容器の形状に依存する。マイクロ波は、表面の過熱で食品に深く浸透しないため、ミルク全体では加熱不足につながりかねない。
いくつかのケースでは、乳児用調製乳は、マイクロ波による高温すぎる加熱で、乳幼児にやけどを負わせる危険があることが判明した。タンパク質、酵素やビタミンなどの牛乳中の微生物や栄養素に関して、電子レンジでの加熱の影響に関する文献には、矛盾がある。報告された値を表にまとめた。例えば、熱処理、熱処理条件および生成物の体積、オーブンの電源、温度および曝露時間などには、異なるパラメータが含まれている。
数年前に報告された電子レンジで加熱処理されたミルク中の、D-アミノ酸の形成は、極端な温度からの結果である。家庭用電子レンジでは、これらの条件で使用されていない。そのため、電子レンジで加熱されたミルクでD-アミノ酸の形成に関する懸念は、無視することができる。生物学的実験は、ミルクの電子レンジでの加熱処理の危険性の証拠を示さなかった。
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by maicrocook | 2013-05-23 19:55 | 電子レンジ神話 | Comments(0)